メディセオと神栄テクノロジーが共同開発 スマートセンシング技術を活用したマテハン機器異常検知システムをメディセオに導入

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メディセオと神栄テクノロジーが共同開発
スマートセンシング技術を活用したマテハン機器異常検知システムをメディセオに導入

当社と資本業務提携している株式会社メディパルホールディングス(東京都中央区、代表取締役社長:渡辺 秀一、 以下、メディパルという)の連結子会社である株式会社メディセオ(東京都中央区、代表取締役社長:今川 国明、以下、メディセオという)は、本日竣工の「阪神ALC※1(兵庫県西宮市)」に、当社の連結子会社である神栄テクノロジー株式会社(神戸市中央区、代表取締役社長: 小山 文也、以下、神栄テクノロジーという)と共同開発したマテハン機器※2異常検知システム(以下、本システムという)を導入しましたので、下記のとおりお知らせします。

1.本システム導入の背景・目的

メディパルは、「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever ~たゆまぬ変革を~」において「持続可能な流通の構築」を掲げ流通体制を構築しております。
メディセオのALC(Area Logistics Center)は高度なマテハン技術を導入し高い生産性と物流業務の効率化や省力化を図る一方、いかなる時にも止まらない流通体制を継続することが社会からの期待に応える企業の責務であると認識しさまざまな取組みを行っております。
センター内で利用するマテハン機器は、駆動用に電動モーターやギア等を使用するため、摩耗や異物の噛み込み等に起因する細かな不具合が一定の割合で発生します。一旦不具合によって機器が停止すると物流業務の一部停滞を招き、復旧に要する時間は、一般的には数十分から数時間程度、重大な故障の場合には数日掛かる可能性もあります。このような長時間の機能停止につながるリスクを軽減するため、マテハン機器の点検作業の強化や故障の予兆を早期に発見することは重要な課題となっております。
メディセオでは、神栄テクノロジーが新たに開発したマテハン機器の状態を常時監視するスマートセンシング※3システムを導入することで、突発的な異常の検知と、経時的な変化から機器の故障を予兆検知して適時に部品交換を行うことが可能となります。また、機器の異常や故障による物流センターの長時間の機能停止を未然に防止し、「止まらない物流」を実現できる環境を強化してまいります。

2.本システムの特長

近年、マテハン機器の状態(振動、温度、音など)を連続的に検知するさまざまなシステムが発表されていますが、これらの多くは経時的な変化を捉えることで予知保全へつなげていくものが主流となっています。一方で、マテハン機器の重大な故障につながる原因は、稼働中のマテハン機器への異物落下や電動モーターやギア等の破損などにより突発的に発生する場合が多いことから、これを検知できる手法が強く求められていました。しかしながら、使用される容器の大きさや内容物の重さ・バランスなどはさまざまであり、正常な動作によるものと区別することが困難でした。
本システムの開発にあたり、多くのデータ取得と動作検証を重ねた結果、突発的な異常を検知するための独自のアルゴリズムを見いだすことができました。本アルゴリズムと神栄テクノロジーの「S3 PLATFORM®※4」を活用し、スマートセンサから、測定データを解析しネット回線を通じて外部へ転送するゲートウェイ、さらにはデータの蓄積や異常が検出された場合に即時アラートを発信するクラウドシステム「LogView」まで、一貫して対応できるスマートセンシングシステムを構築しました。
マテハン機器の経時的な状態変化のデータの蓄積と並行して突発的な異常が発生していないかの常時点検を自動的に行うことで、マテハン機器へ何らかの影響を及ぼす前に現場での確認や処置が可能となり、異常や故障によって物流機能に長時間の影響を及ぼす事態の未然防止を図ることができます。
なお、本システムに用いた異常検知のアルゴリズムは、メディセオと神栄テクノロジーによる共同発明として特許を出願しております。

3.今後の展開

現在、阪神ALCでは試験的に本システムを稼働しており、設備内のマテハン機器にセンサを設置し、データ取得を実施しています。今後は、故障予知のデータ取得を行いながら必要な機器への導入を行います。さらにメディパルグループが保有するマテハン機器全体を常にベストな状態で安定稼働できるよう全ALCへ展開してまいります。

※1 ALC(Area Logistics Center)
医療用医薬品や医療材料、臨床検査試薬などを扱う高機能物流センター
主に調剤薬局、病院、診療所などに商品を供給。

※2 マテハン機器(マテリアルハンドリング機器)
物流現場の省力化・自動化・効率化のための、荷物の運搬や保管を行う機器全般。

※3 スマートセンシング
対象物の近くに設置されたセンサから得られたデータを数値化し、情報を検出する技術。

※4 S3 PLATFORM®(SHINYEI SMART SENSING PLATFORM)
神栄テクノロジーが提供するセンシングの提案から、目的や用途に応じた最適なシステムの選定、さらには測定し取得したデータの活用やマネジメントまでを一貫して管理できるスマートセンシングプラットフォーム。(参照先:https://www.s3platform.jp/

株式会社メディパルホールディングスについて

所在地 東京都中央区八重洲二丁目7番15号
代表者 代表取締役社長 渡辺 秀一
事業内容 持株会社として「医療用医薬品等卸売事業」、「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」ならびに「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」などを行う関係会社の株式を所有する事による当該関係会社の経営活動の管理・支援およびメディパルグループにおける事業開発等
ウェブサイト https://www.medipal.co.jp/

本リリース中に記載の「S3 PLATFORM」は神栄テクノロジーの登録商標です。