新型コロナウイルス感染症ワクチンの物流(保管・輸送)のための温度ロガー受注のお知らせ

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新型コロナウイルス感染症ワクチンの物流(保管・輸送)のための温度ロガー受注のお知らせ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンが日本国内において承認された際、遅滞なく国民がワクチン接種を受けられるよう、迅速かつ円滑な接種に向けた体制整備が進められている中、武田薬品工業株式会社によるモデルナ社の新型コロナワクチンの国内物流(保管・輸送)に用いられるツインバード工業株式会社(本社:新潟県燕市、代表取締役社長:野水 重明、以下「ツインバード」といいます。)製ディープフリーザー用の温度ロガーとして、当社子会社の神栄テクノロジー株式会社(本社:神戸市中央区、代表取締役社長:岸本勝、以下「神栄テクノロジー」といいます。)が製造・販売する『TempView』GT002-T-DFの採用が決定され受注しましたのでお知らせいたします。

さらに、神栄テクノロジーでは、新型コロナワクチンの冷蔵冷凍倉庫や医療機関等における保管時における温度計測管理用途での需要拡大も見込み、温度ロガー『TempView』GT002-T-DFの生産(製造・校正)体制を増強し、月間5,000台以上の出荷に対応できるようにいたしました。

今回受注分の概要(用途、販売先、台数等)

  1. 用途:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの物流過程における保管時および
    輸送時の温度計測・管理
  2. 製品名:物流用データロガー G-TAGシリーズ TempView(校正証明書付き)
    型番 :GT002-T-DF
  3. 販売先:ツインバード
  4. 受注台数:5,000台
  5. 納品時期:2021年2月中旬迄

『TempView』GT002-T-DF

採用に至った背景

武田/モデルナ社の新型コロナワクチンの国内物流において、ワクチンの品質保持のために、国内倉庫から卸業者を経て、医療機関等の接種会場に届くまで-20℃±5℃の環境を維持したまま配送する体制が求められており、倉庫内での保管や輸送に用いられる冷凍保冷庫の庫内環境において、適正な温度管理を行うための厳格な温度計測が必要となります。

今回、国内物流における卸業者が用いる保管・輸送用保冷庫として、冷却器にFPSC*を用いるツインバード製のディープフリーザーSC-DF25WLの採用が決定され、この庫内温度の計測管理を神栄テクノロジーの『TempView』 GT002-T-DFによって行うことが決定されました。GT002-T-DFがワクチンの保管温度計測管理用としての指定ロガーに至った主なポイントは次のとおりです。

設置イメージ(温度ロガー本体はディープフリーザーの外部に設置し、リード線を庫内に挿入して先端の温度センサで計測)

 

『TempView』GT002-T-DFは全数温度校正を実施し、1台ずつに校正証明書を発行することにより、計測器としての高い信頼性を確保していること

・一般的なロガーは、記録した温度データの取り出しにロガーまたはロガーの専用読み取り機をPCへ接続する必要があり、取り扱いが面倒な一面がある一方、神栄テクノロジーが開発した物流用データロガーG-TAGシリーズは、Bluetoothでロガーと無線接続されたスマートフォンやタブレットにより、温度データ(CSV形式)の取得から解析レポート(PDF形式)の作成まで、簡単に対応できるようになっており、容易な操作性で温度計測管理を行えるようにしたこと

*FPSC:フリー・ピストン・スターリング・クーラー。冷媒として少量の安全なヘリウムガスを用いた、環境に優しい完全脱フロンの冷却システム。2002年にツインバードが世界に先駆けて量産に成功。

今後の展開

今回受注に至った温度ロガー『TempView』は、輸送における温度管理に適した「輸送モード」倉庫や保冷庫等での保管における温度管理に適した「保存モード」の2つの測定モードを備えています。この特長を活かし、今回受注した物流における温度管理での用途に加え、冷蔵冷凍倉庫や医療機関等での保管時の温度計測管理の用途でも支援できるよう、生産体制の増強により短期間での納入、さらには増産に対応することで、我が国挙げてのワクチン接種体制の早期構築に貢献し、新型コロナウイルス感染拡大の抑制の一助となることを切に願っております。

 

神栄テクノロジー株式会社
物流用データロガー G-TAGシリーズ