世界の面白い歯ブラシのご紹介 vol.3 後編

物資関連

歯ブラシ用毛材の輸入販売を行っている当社産業資材部より、面白い歯ブラシを紹介するシリーズ3回目は、環境について考えています。!

※記事内容には担当者の個人的な見解が含まれておりますので、ご了承ください。

(前回の続き)
どうすれば環境に優しい歯ブラシが普及するのか・・・その答えの1つとなるのが、原料メーカーから教えていただいた「マスバランス方式」という考え方です。
毛材の例で簡単に説明しますと、

90kgの石油由来原料と10kgの植物由来原料で100kgの毛材を生産した場合、

  1. 10kg分は100%植物由来原料として販売可能!!!
  2. 90kg分は100%石油由来原料として販売!

できるという考え方です。つまり、素材メーカーの努力で例え部分的に自然素材に置き換えられたものだとしても、それを最大限評価して、普及の助けとしようという取組みです。
実際は、植物由来原料の割合は10%ですが、「マスバランス方式」で、100kgの内10kgまでは100%植物由来と表記できます。100%を謳う事で、製造上余分に発生したコストを価値としてお客様に理解してもらい、負担してもらうことになります。
これによって、持続可能な歯ブラシの商品開発が実現できるかもしれません。
ただ、実際にマスバランス方式で毛材を販売するには、ISCC(International Sustainability and Carbon Certification)という、マスバランス方式で製造されたバイオマス原料の製品をサプライチェーン上で管理・担保する認証を取得しなければならず、歯ブラシメーカーにとってもコスト増となってしまいます。

せっかく環境によい商品を開発しても、従来品の方が安ければ、消費者も物価上昇で生活が大変な状況で買い替えには積極的になれないと思います。思い返せば、2009年頃にエコポイントの活用によるグリーン家電普及促進事業が行われました。対象製品を購入するとエコポイントを付与され、お得にテレビ等の家電製品を購入することができました。こうしたECO製品普及策をぜひ期待したいです。バイオマスマークのついた商品購入でポイント還元となれば、もう少しECOが身近になるかもしれません。冒頭で紹介したホテル向けについても、一定のECOアメニティを導入した施設では宿泊者へポイント還元できるような仕組みがあればよいなと思います。