神栄グループにおける冷凍食品事業の収益拡大への取り組みについて

食品関連

 当社食品部の行う国内向け冷凍食品事業は、国内冷凍食品市場の拡大に伴い、また少子高齢化に適応した調理の簡便性を高めた商品などを開発・提供し、長年にわたって売上拡大基調を続け、 今では当社グループの収益を支える中核事業に成長しております。

当社食品部の強み

 この食品部は、神栄グループR&D センター(神戸市中央区)に設置した自前の設備・機器を活用し、日々自社で残留農薬や微生物の検査をすることで築き上げてきた品質管理力、また冷凍野菜・冷凍調理品・冷凍水産加工品といった多種多様な品揃えと、きめ細かな配送を始めとしたお客様の様々なニーズにお応えするサービスを強みに、日本全国のお客様に安全・安心な食品をお届けしており、さらに2019 年度には物流拠点を新たに仙台と札幌の2ヶ所に開設し、サービス力の向上に努めております。

神栄グループR&D センターにおける検査の様子

 

ICT 活用の取り組み

 近年では、働き方改革の一環としてICT を活用した生産性向上と業務の効率化にも注力しており、その取り組みが今般の新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークによる在宅勤務の推進にも効果を発揮しております。

 例えば、お客様からの受注情報をデジタル化してネットワーク上で共有し、デジタルデータとして取り込み、出荷指図から会計処理までの業務をオンラインで自動処理するシステムを構築することで、業務時間の短縮やお客様へのレスポンスの迅速化をすでに実現いたしました。さらにこれらのデータは複数拠点でバックアップしており、災害発生時にはこのバックアップデータを活用して他の拠点で業務を継続できることから、BCP にも資するものとなっております。

 

新たなシステム開発投資

 このような取り組みを進める中、このたび、さらなるサービス向上と品質管理の強化に繋げていくことを目的に、新たなシステムを導入することといたしました。

 商品の仕入契約段階から、海外での船積み、日本入港、日本国内での物流倉庫への入庫、販売、出庫までの情報をデジタル化し一気通貫で管理するシステムで、入庫予定や商品の在庫状況がリアルタイムで把握できるようになります。これにより従来よりも的確なタイミングでの発注を可能にし、欠品でお客様にご迷惑をお掛けすることを防ぎ、また先々の購買予定も立てていただき易くすることができます。また、多拠点における在庫管理も従来以上に容易でかつ正確に把握することが可能となり、物流拠点のさらなる拡大を通じて翌日配送のエリアを広げていくことで、業容拡大と顧客満足の両立に繋げてまいります。

 これらに加えて、タイムリーに仕入データと品質管理データを連携することで、適時的確な分析が可能となり、さらなる品質向上にもつながり、より安全で安心な商品を提供ことができるようになります。また、前述の既存システムと連動することで、発注から販売までの商品管理と会計処理のすべての工程がシームレスにオンラインで連携処理できるようになり、一層の生産性向上に繋げることができます。
 現在、システムの詳細を設計中で2020 年10 月の稼働を目指しています。

 

調達ルートの多様化

 現状食品部が取り扱っている商品および原材料の大半は、当社が古くから関係を構築し幅広いネットワークを有する中国からの調達を中心に、欧米からも調達していますが、さらに品揃えを充実させお客様の様々なニーズに安定的にお応えするために、調達ルートの多様化を推進しており、特にベトナム産の拡充を強化しております。2017 年にはホーチミン駐在員事務所を設置し日本人スタッフを常駐させました。現地の協力工場には品質検査設備を貸与し、大手量販スーパー向けの水産品の品質管理、生産管理を強化するとともに、タイムリーな対応でお客様の満足度を高められるよう取り組んでいます。同時に、水産品だけでなく冷凍野菜や冷凍調理品の開拓も進めており、仕入国の分散化にも努めています。

ベトナムの水産加工品工場に設置した検査設備

 

最後に

 今回のシステム導入に続いて、今後も経営資源の投入を積極的かつ戦略的に行っていくことで、当社グループの収益をけん引する食品関連事業の強みをさらに強化し、お客様へのサービス・満足度向上と高品質な商品の提供により競争力を高め、新たな販路を開拓することで、収益拡大を図ってまいります。

 

 

 

神栄株式会社
神栄株式会社 食品部